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写メ日記 | 守るべきもの

痴女哉〜KANA〜

守るべきもの
痴女哉〜KANA〜
男性に対して抱く感情は、時に矛盾を孕む。

「憎むべき、罰するべき、打ち負かすべき存在」と「守るべき、慈しむべき、愛情深く育むべき存在」という、相反する二つの感情が私の心に渦巻く。


この複雑な思いを掘り下げる過程で、かつて私にとって「小さく守るべき存在」であった彼と再会した。
最後に会ったその日から、既に15年の歳月が経つ。15年前の別れは、まだ若く自分を守る術がなかった私に深い傷を残し、彼の裏切りによってできたその痛みは色濃く残っていた。


彼は私に気づくと、当時のことについて謝罪したいと言った。その謝罪は稚拙で、彼の未熟さを垣間見る瞬間でもあった。心の中では、思わず皮肉を言いたくもなったが、彼がこの15年間で成長を遂げ、自分の過去と向き合っていることを知って、嬉しく感じたのも確かだ。


彼はもはや若き日のような無力な存在ではなく、過去の痛みを背負いながらも、自らの居場所から逃げずに立ち向かおうとしていた。そんな彼の姿に、かつて私が愛し、守りたかった「小さな存在」の面影を見た。そして、彼を守ろうと思っていた自分と、彼の成長を祝福する今の私との間にも、わずかながらも成長の証を見いだすことができた。


彼を近くで守りたい、とはもう思うことはないが、遠くから彼の幸せと成長を願う気持ちは変わらない。
私たちが共に受けた傷は、決して無駄ではなかったと今は思える。
彼との関係があったからこそ、私は男性に対する見方や、自分自身の理解が深まったのだと感じている。


彼が生まれた報せを聞いたとても寒い冬の朝のことを、今でも鮮明に思い出す。
モノクロの世界が色づき、心が温かく満たされた感覚。それからの経験は、私に成長と感情の深まりを与えた。


彼がいなければ、私は男性を傷付け、いたぶり、惨めに命乞いする姿を見て喜ぶだけの、ただの冷酷なサディストになっていたかもしれない。
しかし、彼の存在があったからこそ、私はあなた達を傷つけることのないよう、自らを見つめ直すことができた。

彼は私にとって、今も特別な存在であり続ける。




[2024/10/01 18:55]
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